鍼灸にいらっしゃる患者さまの多くは「経絡だ。」「氣だ。」と云う以前に、西洋医学的な知識に基づいて解剖学的な視点からの治療がまずは必要、と云う方です。
しかし一方で、理由が何だか分からない症状、お医者さまに行っても原因不明と云われてしまう“不定愁訴” と云う症状を抱えて、ご来院される患者さまも多くみられます。
私はこのような時「患者さまの心が発する事の出来ない声なき声を、お身体が表現している状態である。」と考えます。
いずれにせよ、患者さまお一人お一人が抱えていらっしゃるものは症状の形をした”人生の物語そのもの” です。
私は患者さまの心と身体に静かに寄り添い、患者さまご自身が “ご自分の心と身体の物語”と静かに出会う場のお手伝い役(立会人)として、患者さまと関わらせて頂く術者でありたいと願っております。
鍼は心と身体と宇宙を繋ぐもの…。
灸は大地のぬくもりで身体を温め、心を照らすもの…。
そんなイメージを持って、私は鍼灸をさせて頂きます。
院長 黒河 美智代